新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために

イライラすることが増えていませんか?
怒りの感情と上手に付き合うためのアンガーマネジメント

「コロナうつ」「コロナストレス」「コロナ離婚」という言葉が生まれるほど、新型コロナウイルス感染の影響が広がっています。漠然とした不安、健康への心配等を抱えた方が沢山いらっしゃいます。また、慣れないテレワークで生活リズムが崩れ、ストレスが溜まっている方も多いのではないでしょうか。

今回は特にこの時期に「怒りっぽくなった」「常にイライラして自分でもどうしていいのかわからない」「仕事が上手くいかなくて自分に腹が立つ」といった怒りの感情で悩んでいる方に向けて、アンガーマネジメントをご紹介します。

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントは、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになることが目的です。ですから、アンガーマネジメントは決して怒らないことではありません。
 

怒りが生まれる仕組み

そもそも怒りとはどのようにして生まれるのでしょうか。

新型コロナウイルス対策としてテレワークとなり、普段とは違う日常を過ごされている方が多いと思います。普段は生まれない怒りの感情に振り回され、戸惑っているかもしれません。
そのため、まずは怒りが生まれるメカニズム(仕組み)を理解しましょう。
怒りは図のようにライターをイメージするとわかりやすいでしょう。



ライターはガス(燃料)があって、着火スイッチを「カチッ」と押すと火花が生まれ、炎になります。
ガスが溜まっていれば炎は大きくなり、ガスが溜まっていなければ炎は小さくなります。

怒りが生まれるメカニズムも同様です。ライターでいうガスは「マイナス感情や状態」です。
例えば、「健康の心配」「先の見えない不安」「生活リズムが整わない辛さ」等です。

着火スイッチは、「~である‟べき”」という自分の理想や大事にしている価値観です。
例えば、「咳エチケットは守るべき」「体調管理を厳重にするべき」「給料を補償するべき」「テレワークでも規則正しい生活をするべき」等です。その「べき」と現実にギャップがある場合、または「べき」が裏切られる場合、着火スイッチが「カチッ」と押されて火花が生まれます。

炎が「怒り」です。「べき」が裏切られ、火花が生まれ、マイナス感情・状態が多ければ多いほど、怒りは大きく燃え上がります。
つまり、「べき」と「マイナス感情・状態」の両方があれば怒りが発生します。「べき」と「マイナス感情・状態」の両方もしくはどちらかでも減らすと、怒りを小さく、短くすることができます。
 

今すぐできること

①自分の怒りのメカニズムを理解する

「なんだか最近イライラする・・・」「自分が怒りっぽくなっている気がする。なぜだろう」と自分の感情や状態がわからない、見えないからこそ悩んでしまうのではないでしょうか。
自分の怒りが生まれるメカニズムがわかると、安心し、怒りの感情を上手に扱えます。ですから、自分はどんな「べき」を握りしめているのか、どんな「マイナス感情・状態」があるのか整理してみましょう。
例えば、書き出してみる、相談してみるといった方法があります。

②マイナスな感情や状態を溜めない
ガス(マイナスな感情・状態)があると、怒りは大きくなります。
そのため、マイナスな感情や状態を溜めないよう、様々なストレス対処法を試してみてください。
例えば、深呼吸をする、家でストレッチをする、リラックスできる音楽を聞く、電話やオンラインの相談窓口に連絡してみる等です。また、今までにコラムで紹介されたものからやってみることもお勧めします。

③テレワークを上手くやっている人の真似をする

初めてのテレワークで上手くできなくてイライラする方、自宅に長期間いるので憂鬱になっている方がいるかもしれません。初めてのことなので、どうすればいいのかわからないのは当然です。そんな時は、上手に過ごしている方の真似をしてみましょう。
例えば、私は以下のような工夫をしている方を知り、試しています。

身だしなみを仕事モードに整える(化粧をする、髪の毛をセットする、髭をそる、スーツを着る等)
仕事の開始・終了時間・休憩時間は出勤していた時と同様にする
パソコンに向かう姿勢が悪くならないよう、まっすぐな姿勢を保てるラック等で位置を調整する

 ④「べき」を緩める
「べき」が裏切られると、イライラするとお伝えしました。
長期的に自分にとっても他人にとっても健康的かどうかという視点で自分の持っている「べき」を見直すことも大事なことです。
例えば、「自宅でも毎日メリハリのついた生活をするべき」と自分を追い込んでいる場合、「たまにはのんびり過ごしてもいいでしょう」「1日2回はゆっくりと心と身体を休める時もあってもいいかもしれない」と「べき」を緩めることができたらやってみましょう。
今までに経験していない事態ですので、たまには自分の「べき」を緩めてみてください。結果として、無駄に怒らなくて済むようになります。

⑤怒りの性質を理解する
怒りの性質の一つに「伝染しやすい」という性質があります。
例えば、日ごろ職場に出勤していると観ることができないワイドショー等を昼間から観ていると、「大きな声で怒っている人」「イライラしながらため息をしている人」「感情的になっている人」の映像が流れることがあります。
怒りは伝染しやすいので、テレビを観て怒りがあなたに伝染していることもあるかもしれません。
もし心当たりがある場合には、テレビを観る時間を限定する等、怒りの性質を理解した上で対処方法を考えることができるのではないでしょうか。


アンガーマネジメントは心理トレーニングです。自宅にいてもできます。
繰り返していくと身に付きますので、ぜひ少しずつ試してみましょう。

​一般社団法人日本産業カウンセラー協会 シニア産業カウンセラー
株式会社メンタル・リンク代表取締役・アンガーマネジメントトレーニングプロフェッショナル 
宮本剛志

(引用:「一般社団法人日本アンガーマネジメント協会「AM入門講座2020年度版」、安藤俊介(2020)「NHKテキストまる得マガジン 今年こそイライラしない怒りのセルフコントロール術」NHK出版」

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