メンタルヘルス研修(管理監督者)

研修のねらい 部下と管理監督者自身の“心のSOS”を見逃さないために、メンタルヘルスの必要性・重要性を理解するとともに管理監督者の役割について学ぶ。
研修の効果 管理監督者として、職場から「メンタルヘルス不調者を出さない・つくらない」ための対策を学び、早期発見に寄与する。コミュニケーションの手法を学び、快適な職場づくりに貢献する。
参加想定人数 20~30名
研修対象 管理監督者
形式 講義および演習・グループワーク 所要時間 150~360分(休憩時間を含む)

[タイムスケジュール例]

研修項目 具体的な内容 所要時間(分)
メンタルへルスの必要性
  • なぜ今、メンタルヘルスが求められているか
  • リスクマネジメントの視点から
  • 労働安全衛生法について
  • 安全配慮義務について
20~30
メンタルヘルスの基礎知識
  • 4つのケアの推進
  • ストレス要因とストレス反応
  • ストレスへの気づき
  • ストレス対策
  • セルフケア
  • ラインによるケア
  • 観察、声かけ、傾聴、連携等の基礎知識
30~70
メンタルヘルス不調の早期発見と予防対策
  • 早期発見と管理監督者の役割(いつもと違う部下への気づき、こうなったら「危ない」うつ病対策、うつ症状者への対応策)
30~40
部下とのより良いコミュニケーションのために
  • 職場不適応者への対応策を考える(グループワーク)
  • 相談の受け方(傾聴実習・ロールプレイ・事例検討)
30~130
相談体制づくり
  • 相談しやすい環境整備(事業場内・外資源との連携)
10~20
復職支援
  • 基本的な考え方
  • 職場復帰支援の流れ
  • 職場復帰支援の各ステップ
  • 管理監督者及び事業場内産業保健スタッフ等の役割
  • プライバシーの保護
  • その他職場復帰支援に関して検討・留意すべき事項
20~30
快適職場づくり
  • 職場環境チェック
  • 管理監督者自身が元気であるために
10~40
資料等は別途用意いたします。
最短の所要時間は150分ですが、その場合には時間配分やプログラムの変更が必要です。

働くしくみがストレスを生む

部下を持つ管理職が少なくなったが

情報革命の進展で、職場での仕事のやり方が変わり、多階層的であったラインがフラット化し、中間管理職が減らされています。しかし、このことが逆に管理監督者と部下との距離を縮め、直接的責任を増大させることになっています。旧労働省が出した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」(2000年)でも、労働者自身の健康に対するセルフケアとともにライン管理監督者によるケアの重要性が強調されています。こうして、企業からの管理職研修の要望が当協会に増えています。

管理職に必要な3つの役割とカウンセリング・マインド

國分康孝氏(東京成徳大学名誉教授・協会顧問)は、部下を持つ人間としてなすべき役目についてこう言っています。
「3つあると思う。(1)どのようにして集団をまとめていくか、(2)どのようにして集団を動かしていくか、(3)どのようにして一人ひとりの部下を育てていくか、である。
(1)については、部下の求めているもの、部下の欲求を絶えず充足していくことであり、(2)のためには〈これでいくぞ〉という目標を掲げなくてはいけない。プロのカウンセラーなら、この登校拒否児がせめて週に4日は登校するようにしよう、といった目標を立てる。目標がなければ、行動を変容させようがない。管理職はどういう目標を立てたら、部下のやる気をだせるか、また、この目標には無理はないか、と考える必要がある。では(3)の仕事は、部下の一人ひとりを育てることである。本人の能力と興味が何であるかを気づかせることである。伸びる人とは、能力と興味が一致した分野で仕事をしている人である」 これ以上、詳しくは紹介できませんが、要するにカウンセラーは、クライエントにどう接するのが最も良い方法かを始終考えているわけです。そういう意味で、カウンセリングの諸技法を学ぶことは有効です。でも、管理職の方がカウンセラーになりきることはできません。せめて、その精神(カウンセリング・マインド)だけでも学んで職場で活かしてほしいのです。それが当協会の管理者研修の一つの特徴となっています。次頁は企業で行われるカリキュラムの内容です。

メンタルヘルスにおける管理職の役割

ライン管理者の役割は、

  • 1つは部下の「仕事上のストレス要因」を把握し、除去・軽減すること(仕事の量、仕事の質、過重労働、テクノストレスなど)
  • 2つは「緩衝要因」(周囲からの援助、ストレスを軽減できる要因)について配慮することです。

また、同じことであっても、反応には個人差があります。管理者としては、個人差にも目を向け、一人ひとりの違いに合わせた対応をすることが求められています。

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